新しい輝きへ ーOver The Next Rainbowー

次の輝きへと海を渡ろう

 

ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow

が公開されてから早5か月が経ちました。
回数こそそこまでは見ていないけれどやはり初めて見たときの衝撃は凄くて、色々な感情が溢れてきましたね。

そして遂に今週末に控えたAqours5thライブ。
ライブ前のこの独特の緊張感を味わうのも久しぶりで、メットライフドームも久しぶり、ブログ書くの久しぶりですね…

 

Over the Rainbowに込められた意味

Q.タイトルに「Over the Rainbow」とつけた理由は?
自分の中で、本作のストーリーが『オズの魔法使い』と合致するところがあったからです。「知恵」と「心」と「勇気」は、最初から持っていたというところですね。それでミュージカル映画版の劇中歌、「Over the Rainbow」から着想を得ました。プロジェクトスタッフのみなさんや音楽プロデューサーの大久保さんからも「『Over the Rainbow』そのままでいいんじゃないか」と仰っていただき、形を変えることなくそのまま採用していただきました。

酒井かずお

ありがとう酒井監督。
やっぱりそうだったんだという喜び半分安堵半分。この作品を作り上げていく途中で酒井監督も気付いた、というところがオツなところですね。まるで千歌が輝きの正体に気付いた瞬間のように。

 

虹を越えるということはそこに虹があることを理解すること

虹を越えたいと思うのは誰かが虹を超えたと知っているから

 

"幸せは幸せだと気付いてしまった瞬間に幸せではなくなる"

千歌はAqoursのリーダーとして脇目も振らず、常にがむしゃらに前を向いて駆け抜けてきました。そして途中自分ちにとっての "輝き" の意味を見失いかけますが

「μ'sの背中を追うのではなく自分自身で在る」

という輝きの答えの半分を見つけました。そしてラブライブで優勝して

「輝きはずっと私たちのそばにあった」

ことに気付き、本当の輝きの正体を知りました。

青い鳥の飛ぶ先には - Aqours storeis

僕たちは千歌たちの物語を俯瞰しているからこそ、彼女たちが輝いていることに気付いているわけで。

何が言いたいのかというと、もしかしたら僕たちも知らぬ間に輝きを追い求めているかもしれない、ということです。まるで太陽に照らされた恒星のように自分では気付いていないのかもしれない。

ラブライブ!』というのは”みんないっしょに輝こう”というのが1つのテーマです。

酒井かずお

Aqoursの18人だけではなく、応援するファンも、この作品を手掛ける人たちも実はみんなが輝きを求め続けている…そんな自然体でいつつ飽くなき探求心というものを垣間見れた作品だったと僕は感じました。


紙飛行機が虹を越えるように

幼少期の千歌と曜が紙飛行機を飛ばすシーン

初めは彼女たちの直接的な描写がなく砂浜に落ちた紙飛行機のアングル。逆に想像力が膨らみ波音も含めた緩やかな入りでとても心地よかったです。

そして飛行機がうまく飛ばせない千歌。曜は千歌のことを励まします。
曜が「大丈夫」や「できるよ」というシーンは高校生になったアニメの曜と重なる部分がありました。

2期6話でMIRACLE WAVEの練習で葛藤する千歌に放った言葉

出来る、絶対出来るよ!

 

2期7話で廃校をなんとか阻止しようと街へ飛び出そうとする千歌を抱きとめながら放った言葉

落ち着いて!大丈夫…大丈夫だよ!

 

曜が放つこの言葉は全く無責任な言葉たちではなくて、むしろ小さい頃からずっと一緒に過ごしてきた彼女だからこそ、千歌のことを一番理解している彼女だからこそ真の意味で心に響いて…そして彼女を落ち着かせ、時には奮い立たせる言葉なのだと強く思います。

千歌は自分のことを普通怪獣だと言うけれど、曜や梨子からしたらもちろんそんなことはなくて。特に曜は自分には無い "自然と人を惹きつける力を持つ千歌" に幼い頃から凄さを感じていたのだと思います。

そんな一面が幼少期の頃からあったんだなと改めて2人の関係性が垣間見れました。

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「僕らの走ってきた道は…」

劇場版の初っ端からどっぷりとラブライブ!サンシャイン!!の世界へと引き込んでくれた楽曲。そして何より "たくさんの沼津愛が詰まった曲" 

2期13話で "WONDERFUL STORIES" を披露した後から物語は再開しこの楽曲が始まります。
"WONDERFUL STORIES" を踏襲した、しかしそれよりもさらにミュージカル調を色濃くした楽曲。スケールの壮大さや沼津の人々を巻き込みAqours9人が踊っている姿に早くも目頭が熱くなりました。
本当にこの作品は沼津の人たちから愛されているなぁと心から感じました。

特にCメロでは富士山をバックにした沼津市街全体が写されるシーンが大好きで…
ふとアニメ1期の頃に「小さな田舎町」と千歌が言っていたことを思い出しました。自分も何度も沼津を訪れて肌で感じましたが沼津は小さい街なんかじゃない。そう胸を張って言える気がします。


そしてあのラ・ラ・ランドのオマージュ的演出!…なんて偉そうなことは言えた身ではないですが、何かと話題になっていたので劇場版を見終えてすぐAmazonプライムで観ました。
意識せずともこの2つの映画には驚くほどの共通点がありました。


オープニングの楽曲からのアバンタイトル
(大勢の人がハイウェイで踊る ⇔ Aqoursと学生が沼津市街で踊る)

"もしも"の世界
(二人が結婚していたら ⇔ ラブライブ決勝でAqours vs. SaintSnowが実現していたら)

輝き(夢)、スクールアイドル(女優)、夢を実現する厳しさ

 
突然ミュージカルが始まるのもラブライブ!の劇場版ならではですが、ここまで高揚感を覚え感動を誘う楽曲から物語が始まるとは思っていなかったので本当に圧倒されっぱなしでした。

 

新たな一歩と9人の成長

月の通う統合先の高校の父兄からスクールアイドルというものが良い印象を受けていないことを知ったAqours。意外とリアリティのあるところをついてくるな…と思いつつそれを聞いたときの千歌たち6人の表情も印象的でした。

自分たちが全力でやってきたことがまだ伝わっていなかったんだ、という悲しみよりも哀愁に満ちた表情。

そしていつもいるはずの3年生がいないという心細さを感じた6人はステージに立ちそれが現実のものだと知りました。


まさかの失敗


練習を怠ったわけでも全力を出せなかったわけでもない


Aqoursの凄さを一番よく知る最大のライバルはその理由をいとも簡単に見抜き、彼女たちに突きつけました。

その現実と向き合い、次に "進もうとした" 6人にとっては大きな成長であり、「あの6人なら大丈夫」と "信じることができた" 3年生にとってもそれは大きな成長だったでしょう。
物語の前半は特に1,2年生に焦点が当てられていましたが、イタリアへ渡った後は鞠莉を中心とした3年生の心情が描かれました。


卒業後の進路をお互いに相談しないで後から報告する奔放さもあり、困った鞠莉を救うためなら海外にだって飛び出してしまう絆の深さもある。
1,2年生にはない「言わなくてもお互いのことが分かっている」関係性がとても素敵だと思います。


「くだらない…?」


スクールアイドルを鞠莉の母親に馬鹿にされ、言葉よりも先に体が動いた千歌。ダイヤに制止こそされましたがAqoursのリーダーとしてがむしゃらに突っ走ってきた彼女にとって、それは一番聞きたくない言葉だったでしょう。
(蛇足ですが、個人的にあのままダイヤが止めなかったらどんな言葉を放っていたのかとても気になるところではありました)

鞠莉は大人の事情で自分の将来を決められそうになり、それを振り払う姿勢を見せました。自分たちがやってきたことを証明するために。

しかし、それは大局で見ると

「スクールアイドルとそれを認めなられない大人たちの対峙」なんですよね。

理由は違えど鞠莉の母親をスクールアイドルを認めない、いわば統合先の父兄たち "悪役" の代表を演じさせることによって、それに対してスクールアイドルの代表Aqoursが "歌とダンス" で立ち向かう構図が出来上がるわけです。

もちろん鞠莉ママがそれだけのために登場した、と言っているわけではないです。
ただあそこでAqoursと鞠莉ママが対峙したシーンを見て、僕の目にはこういったことを暗に示しているように映りました。

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結果ライブは成功

鞠莉はスクールアイドルがこんなにも人を感動させられるものだと母親に証明することができました。小さい頃果南とダイヤから教わった「自由な選択」をできる権利と可能性。
外の世界を知り、母親に自分の進みたい道を言葉ではなくパフォーマンスで示した鞠莉はまた一回り成長し未来へと羽ばたいていきます。

そして その"勝負" に勝った千歌たちは改めてスクールアイドルの可能性に気付いたとともに、やはり3年生の存在の大きさにも気付いたはずです。


でも3年生は卒業してしまう

これからAqoursはどうすればいいいのか

6人で続けていくのか


イタリアから帰国しライブの準備が進むなかでも彼女の問いかけは続きます。

そんな最中千歌は5人の成長を知ります。"Hop? Stop? Nostop!" を作り上げる過程で

曜と善子が新しいダンスの開発し

ルビィと花丸が新しい衣装の生地を探し

梨子は足繁くコンサート鑑賞に通っていました。

みんな凄いや…


千歌の知らないところで5人はそれぞれ自分にできることを精一杯やっていたんです。こんなにも頼もしい仲間が一番そばにいた。
3年生がいなくなることにくよくよしていた自分がバカらしくなって出てきた言葉かもしれませんね。
 
イタリアで過ごした時間、それは9人をまた一歩成長させてくれました。


現実と夢

姉さまたちは…もういないの!!!


目を背けていたけれど突きつけられる現実

言葉では理解しているけれど体が拒否している

 

最愛の姉とはもう一緒に踊ることはできない。

最大のライバルとはもう対決することができない。

 

そんな葛藤した姿を姉に隠すことができるはずもなく、聖良が果南に打ち明けた打開策は「Aqoursへの加入」

ダメだよ…


各々が流れに身を任せる形で肯定しかけたとき、沈黙を破ったのはルビィだった。
理亞がAqoursに加入することで今の問題が解決するの?そうメンバーに問いかけているように聞こえた。
何かが折れてしまいそうなところを、自分自身が口にすることで繋ぎとめたようにも感じ取れた。

今やるべきことは「最高のラスト」を「最高の形」で迎えること。

理亞と出会い成長してきたルビィ、成長させてくれた理亞。
彼女が困っているならば今度は私が助けてあげなくちゃいけない。


そんなルビィの想いも載せて行われた「ラブライブ!決勝延長戦」

 

ラブライブ!は…遊びじゃない!!!

かつて理亞が辛辣な言い方で放ったその言葉を、彼女は親友を励ますように叫びます。
そして理亞は何かが吹っ切れた表情になり、Saint Snowは "Believe Again" という幻の決勝戦曲を歌い切りました。



いまのこの瞬間は、Saint Snowは、理亞の心の中にずっと残っていく

追いかける必要なんてないんです

彼女は間違いなくそんなことは分かっていました。分かっていたはずだけれど姉である聖良がその言葉をはっきりと伝えてくれたことが何より嬉しかったはずです。

全てをやり切って安堵した表情。
そして彼女たちの圧巻のパフォーマンスを見たAqoursは何を想ったのか。


北の大地から息吹いた桃色の羽根は、Aqoursのいる沼津で青色に色づき、想いのバトンが繋がります。


太陽の日差しとともに歌われるサビは圧巻で、これが「Aqoursの輝き」か…と息をのみました。
9人で歌うのは最後だと誰もが分かっているのに誰からもそれが感じられないことが凄く切なくて、でもだからこそ力強い曲だと感じました。

輝くって、楽しむこと

それを歌とダンスとその存在感で一番表してくれているのは紛れもなく彼女たちでした。

 
ライブ後に月の感動ぶりを見て気付きましたが、彼女がスクールアイドルにハマった瞬間がここなんですよね。スクールアイドルの凄さ、カッコよさ、輝き、多分全部を理解したのだと思います。

その目線の先にはAqoursはもちろん幼いころからずっと過ごしてきた曜がいたから、曜が一番中心で輝いていたから。
そんな単純かつ明快な答えが用意されていました。

輝きを次に繋いでいくことの素晴らしさや重要性はμ'sのときから説かれていました。
それがまさに劇場版でも体現されており、この劇場版で一番長くAqoursのそばにいた彼女は曜に輝きを与えてもらったのでしょう。

太陽(曜)に照らされて輝く月のように

それが "Brightest Melody" の意味であり、渡辺曜がこの「9人で歌われる最後のAqours楽曲のセンターに立った」意味と理由なんだと思います。

 

 

 

終わりと始まり

沼津に始まり沼津に終わる。思い返せばそんな映画でした。

沼津を飛び出して、日本を飛び出してイタリアに行ったかと思えばやっぱり彼女たちの帰ってくる場所はここなわけで。

いつの間にかスクールアイドルとしてだけではなく人間的に本当に成長した9人が地元に凱旋した気持ちで観ていました。

あのとき6人でパフォーマンスしたときとは別人の彼女たちがそこにはいました。

聞こえた…?

円陣を組んだ6人の間に空いた3人分のスペース

 

一緒にいるよって、ずっとそばにいるよ!って

いつか果南が千歌の胸を指さし言った言葉

それは妄言なんかではなく紛れもない事実



 

明日は今日より夢に近いはずだよ

『Next SPARKLING!!』


この歌詞本当に素敵ですよね。
まさに "今この瞬間" のAqoursを歌っているかのようで…

この物語でさらに成長した彼女たちが歌うからより説得力のあるメッセージとなって僕たちの胸に届きました。

Shiny = 太陽などの反射光で輝く

Bright = 自ら光り輝く


「黄色と白で装飾されたその衣装が示すのは、もう自分たちが輝いており、輝きを求める人に伝えることができるようになった」

ということですね。

君ここのステージに虹は架かっていなかったけれどこの曲ではかかっていました。


それはそこに虹があることを理解し、越えたいと思い、越えることができた証


最後に彼女たちの出した答えと成長を見ることができました。
しかし、物語は終われど彼女たちはこれからも輝きを追い求め続けるでしょう。それがどんな形になるかは分かりませんが、いつだって沼津の海のようにキラキラと輝く彼女たちはきっと今日も沼津で変わらぬ日常を過ごしているはずです。

 

Aqours 5th Love Live!

まずいですよね。今週末ですってライブ。
個人的な話、今回は曲数が少なくてもいいので演出とかIntermission Movieにめっっっっっちゃ凝ってほしいなって思っています。

もうミュージカルっぽい曲は全部ミュージカルでやっちゃえって思うし、なんなら普段IMで流しているところは直前ぐらいからキャストが演じてほしい……なんて夢も見てます。
例えば Believe Again → Brightest Melody の流れ
Saint Snowが先にセンターステージでパフォーマンスしてAqoursがメインステージでパフォーマンスだと思うんですけど、もうその一連の流れやっちゃってくださいって…

あと劇場版の特典曲の3曲。
これもやってほしいですけど、μ'sFINALさながら衣装とかブランコとかゴンドラとか車とかも再現してほしいですね。

今思い浮かぶのはそれぐらいでしょうか。
というより最近は現実逃避のためAqoursの楽曲なるべく聴かないようにしてたのですがそろそろ心の準備をしておかないと死んでしまうので昨日あたりからまた聴いてます。

ラブライブ!シリーズも9周年ということでAqoursも来年ライブツアーなるものが発表されての5thライブ。今後の展開も大いに気になるところではありますが、この1週間は現実に目を向け今週末はAqoursに真正面からぶつかっていく勢いで行こうと思います。